みかんが欲しているものを聞き取る。
それに応える。
私たち「まるまつ農園」は、
みかんと向き合い、
みかんいとっていいと思うこと
全てを行います。
ときには子どものように、
ときには芸術作品を作るように。
みかんとともに時間を過ごしながら、
おいしいみかん作りに励んでいます。
まるまつ農園は主に「温州みかん」と「不知火」を栽培しています。温州みかんは言わずと知れた和歌山の名産。温暖な気候、山の斜面にオレンジの段々畑といった光景をよく見ると思いますがまさにその通り。太陽の光をいっぱいに浴び、おいしいみかんが育ちます。一口にみかんといっても、「温州みかん」「八朔」「甘夏」「清見」「伊予柑」「ネーブル」「ポンカン」と聞き慣れた名前が次から次へと思い浮かぶほど種類が豊富。私たち『まるまつ農園』は、多くの種類を作るのではなく、「温州みかん」と「不知火」に絞って栽培をしています。中でも「不知火」は、まるまつ農園の自慢です。「不知火」は、1972年に清見とポンカンを掛け合わせて誕生した比較的新しい品種。ゴツゴツとした外皮とてっぺんにコブのような膨らみがあるのが特徴です。酸味、甘さともに濃い味だと人気の不知火は、通常は完熟を待たずに収穫し、1ヶ月以上寝かせて追熟するのが一般的なのですが、まるまつ農園では、樹上で完熟させることに成功しました。
まるまつ農園の不知火の特徴は、樹上完熟。通常よりも1ヶ月程度収穫を待ち、完熟させた状態で樹の上でしっかりと熟するのを待ちます。樹の衰弱に心血を注ぎ、また、熟した美味しい果実を狙う害獣たちにも目を配りながら“超”がつく熟し具合、美味しさを実現しました。ひと口頬張ると甘みが口中に広がり、酸味が後から追いかけやってくる。噛み締めた瞬間、香りが際立ち、完熟特有の風味が鼻からフワッと。一つ一つの房も大きく、食べ応えがあるというお声をいただきます。また、農園を身近に感じてもらえたらと、枝葉付きのままお届けしています。箱を開くと不知火の香りとともに自然の葉の感触も楽しんでいただけたら幸いです。
まるまつ農園は『超熟しらぬい』を看板商品としていますが、その誕生は、温州みかん作りをしっかりとしてきたからこそできた商品なのです。温州みかんは、5月に花が咲き、辺り一面がみかんの花の香りに包まれます。夏は摘果。形の悪いものやキズのあるものを落とし、実の大きさを調整します。摘果は木が弱るのを防ぐという効果もあります。そして10月。そろそろ美味しくなってきたという頃が油断大敵です。サルやイノシシが美味しいみかんを我先にと奪いにやってきます。それを防ぐために朝夕の見回りは欠かせません。そして12月にはいよいよ収穫。樹上完熟させているので一気に収穫をします。超熟しらぬい同様、温州みかんも、基本に忠実に、目配り気配りを行いながら出荷するまで見守ります。温州みかんの栽培においても、わたしたちが作るものが一番だと誇りを持ちお客さまの笑顔を想像しながら作っています。そしてそのみかんを使った加工品もできあがりました。
まるまつ農園の美味しい温州みかんを使い、ジュースにしたのが『まるまつ農園 完熟純しぼり』。当時、わたしたち夫婦は「ジュースを作りたい!」決意したものの、父には反対され絞ってくれる業者探しも苦戦。それでも諦めずにチャレンジをし続けました。その苦労の甲斐もあり、今ではハイアットリージェンシー横浜、大阪・心斎橋のフランス料理店、近隣ではかわべ温泉お宿喜作さんほか数々のお店で提供いただいています。「濃い味で贅沢な気分になれる」「酸味もほどよくみかんそのものの味」「体調の悪い時、このジュースだけは飲めたよ」とご好評いただいています。自分自身、みかん農家をしていて、美味しいみかんジュースに巡り合ったことがなかった。でも今は違う。『まるまつ農園 完熟純しぼり』を作って初めて美味しいみかんジュースに巡り合いました。それほどの自信作ができあがりました。この機会にぜひご賞味ください。
ここからは、まるまつ農園・松井家のお話です。
みかん農家になった時のことやみかん作りの思いetc…
私たちのことを紹介させてください。
父から受け継いだみかん畑で主に温州みかんと不知火を栽培しています。スタッフは私とそして妻、繁忙期にお手伝いをお願いするご近所の方々。そして父母の手も借りおいしいみかん作りを行っています。時にはみかんの事ばかり考えてしまい、頭がいっぱいになることもあります。「おいしいみかんを作りたい」「土を守る、木を守る、地球を守る」そしてそれはどういうことか、どういったことをすべきかと思いを巡らせ試行錯誤の繰り返し。そして自分自身が、いいと思うこと全てを実行し、みかん作りに励んでいます。そして今、手をかけながらひとつひとつ「作品」を作るようにみかんを作りたいと考えています。
隣町の南部町から嫁いできました。家族は、夫・利郎と中学生になる娘がふたりです。ふたりの子どもを育て(と言っても、まだ子育て中なのですが)思うことは「みかんを育てることと子どもを育てることは似ている」。出産して、子どもを大きくするためにはいろいろなことが起こります。晴れの日は公園で遊び、雨の日は家でお絵描き、顔色を見ながら体調に気遣い一つとして同じ日はありません。そんな毎日の繰り返しで育っていきます。そして、私自身も母になっていきます。また、時にはことが起こらないよう先手を打つこともあります。例えば、予防接種がそう。決められたスケジュールをもとに子どもの体調を伺いながら病院に行きますよね。みかんも同じ。肥料を与えたり雑草を処理したり害虫駆除をしたりと手をかけることで健康なみかんに成長するんです。あとは太陽と水と、わたしたちの愛情。「やっておくべきことはやる」それが「まるまつ農園」のみかん作りです。夫とともに、子どもを育てるように大切にみかんを育てています。
利郎:松井家は、祖父の代から農家で、父は農家と農機具の販売を行う兼業農家でした。私は学校卒業後、地方公務員として勤めていました。若い頃は「農家は定年してからのんびりやればいいや」と思っていました。
ところが…
有紀子:公務員と結婚したと思っていたのも束の間。結婚後4年目のとある日。その日は突然訪れたんです(笑)平日は官庁勤め、土日にお父さんの畑を手伝うと、それでなくても「お休みにどこにも行けないー」ってケンカすることもあるぐらいだったのに。
利郎:でも僕は譲らなかった。自営業として農家を繁栄させたいという気持ちが強かった。幼い頃から父の姿を見てきて、流通についての疑問も生まれてきた。今の時代、直売ルートの確立やITを使えば「農」の世界は無限大と考えました。
有紀子:また、良人は「農」をかっこよくしたいという思いもあったようなんです。海外ドラマで見るような農夫になりたいと。「まるまつ農園から農業の価値を変えてやりたい」って。もうこれって決めてるんですよね。その言葉を聞いてからは、私からは特に何も言わず、夫とともにできることをやろうと思いました。
農業は自然に左右され、大変なことも多いです。自分だちではどうすることもできない自然相手に“わくわく”する気持ちもあるんです。明日は雨だからこの作業は今日中に。あと数日は日照り続きなので散水はたっぷりと。この木はちょっと元気がないな、少し肥料を足してみようか。一つとして同じ毎日はやってきません。そこが面白いところです。1〜4月は施肥や剪定、5月にみかんの花が咲き、7〜9月は摘果や台風対策、台風後の片づけ、10〜11月は鳥害獣対策、割れた実などあれば落とす、12月は収穫。
農繁期はいろんな人が手伝いに来てくれまるでお祭りのような賑わいです。作業をしながら手も口も止まらず。まるまつ農園でおしゃべりをしながら作業し、ストレス発散できると言ってくれています。おいしいみかんができ、それを喜んでくれる人がいる。何よりも嬉しいことです。そう、今では毎日が「わくわく」なんです。
「いいものを作って食べてもらいたい」。やるべきことを行いながら、我が子のように手を掛けて作る。ごく当たり前の作り方でごく当たり前の農業を続けていくこと。少しだけ夢を語るなら「農業のイメージをもっとカッコよく」。自分たちからカッコいいところを見せていけたらなと思っています。これからも私たちが美味しいと思うものを作り続けたい。土づくり、肥料、雑草、水やり、消毒、摘果etc. 必要なことはやる。それ以上のことは、第六感を働かせながら手を掛ける。おいしいと言ってもらえるみかんや不知火をこれからも作り続けたいと思っています。
いいと思うこと全てを叶えできたのが「まるまつ農園」のみかんです。
わくわくしながらみかん作りをしている、この気持ちはきっとみかんに通じていると思うんです。
私たちが作るおいしい温州みかんと不知火をぜひ味わってください。